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[2分で読める] スクラップ人間 [掌編小説]

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 いらない部品、壊れた部品を取り替えるのは当然のこと。
 それが人間であっても。

 いらない人間、壊れた人間、彼らはスクラップ置き場に連行される。
 「私」も連れて来られたうちの一人。

 そこで「私」は、与えられたものを食す。
 与えられた衣類、住まい、娯楽を享受する。
 もっとも、壊れた「私」はそれらを楽しむことなんてできやしない。

 言われるがまま、与えられた仕事をして、寝る。
 ベッドの上、ぼーっと太陽を追いかけて、寝る。
 震える体をシーツにくるみ、薬を飲んで、寝る。
 また一日が過ぎて行く。

 ときどき、「私」は作品を生み出す。
 それらは、あるレッテルを貼られたのち、評価される。
 壊れていない人間が作ったならば見向きもされなかっただろう。
 レッテルのおかげで人は振り向く。
 「私」は劣っているから。
 本当に何もできない人間だから。

 恩情を食って生きている。
 見返りとして、「私」は彼らに勇気を与えるらしい。
 ときには生きていることの素晴らしさを思い起こさせるらしい。

 そこにいられる期間は一年間だけ。
 期間終了一ヶ月前に、選択を迫られる。
 「私」は職員や関係者の方々に感謝を示す。
 入所時と変わらない気持ちで同じ選択をする。

 やがてお別れのときは来た。
 絞首は行われないらしい。
 ベッドの上、いつもと同じように眠りにつく。
 これで本当にサヨウナラ。

 みなさん、生まれてきてごめんなさい。
 こんなクズは放っておいて、別の人たちを救ってあげてください。

 こうしてスクラップは処理される。

 * * *

 全部、うつを患った「私」の妄想。
 スクラップ置き場、もとい安楽死施設があれば、こんな感じだろうか。

 息が苦しい。

 溜息が一つ、吐き出された。
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