[長編] 魔法少女は誰かを愛しちゃダメなんですか

第19話 解消される謎

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 結局、隣町には全員で行くことになった。
 シズ、アイはそのまま西へ帰るために電車に乗らなければならない。駅は、この隣町にある。
 一同揃って、バスで向かう。

「マリって、もしかして、お姉さんいるの?」

 そのバスの中。ミミがマリに訊ねた。

「はい。ミミさんたちと直接戦ったのが、姉のアキです」

「あの時は、私何もしてなかったんだけどね」

「そうなんですか」

「うん、メイやシズ、アイがそのアキさんとやり合ってたんだけど。私はそのとき、魔力が不足してて、戦えなかったんだよね。もともと微々たる量しか魔力ないし……。それにしても、よく似てるよね」

「あ、よくそう言われます。多分、外見のインパクトが強いんだと思います。私も、お姉ちゃんも遺伝的に色素が人より少ないらしくて、それで、髪の色とかが白いんです」

 自分の髪を触りながら、マリが言う。

「へえ、遺伝なんだ」

「それに、この黒のローブも同じものですし」

「それっていつも着ているの?目立たない?」

「いつも、ではないですが、学校以外で外出するときは着るようにしています。でも、相当目立っているのかもしれませんね」

「東の方だと、町中歩いてたら二度見しちゃうと思う」

「あはは、やっぱり目立つんですね……」



「あ、もう一個聞きたいんだけど」

「はい。なんでしょう」

「どうして私の家に来れたの?」

 マリがはっとした顔つきになって、黙ってしまった。

「……」

「……」

 しばしの沈黙の後、口を開いた。

「あの、怒らないでくださいね。シズさん」

 突然名前を出されて、シズが戸惑う。

「え?私?」

「怒りませんか?」

「内容によるかもしれないけど……」

「じゃ、やっぱり言うのやめます」

「ああ、ごめんごめん。怒らないから、続けて」

 マリは言う決心をしたようだ。

「じゃあ、言います……。実は、ですね。シズさんを操っていたの、あの方と私たちの仲間なんです!」

 マリを除く一同は、ああ、やっぱり、と合点がいったように頷いていた。

「知ってらしたんですか」

「うーん、知っていたというか、そもそもシズの操り主を探る目的で西に行ったからね」

 ミミがマリに応える。

「それで、???が怪しいんじゃないかってことになって、探っていたらマリのお仲間の黒装束たちに遭遇した、と」

「そういう、事情だったんですね」



「聞きたいことがまた増えちゃったけど、とりあえず、なんで私の家を知ってたのか聞こうか」

「……はい」

 チラッとシズの方を見た後、誰にも目を合わせないようにして、マリが答える。

「シズさんに魔力の発信器をつけていて、それで位置とか音とかわかるようにしてたんです」

「え、ちょっと待って!」

 シズが慌て出す。

「そ、それ、今もついてるの!?」

「い、いえ。多分、操り魔法の効果が切れると同時にそれも作用しなくなったと思います」

「それまでは、私の言動とか筒抜だったってこと!?」

「……す、すみません!」

 シズが愕然としていた。まあ、自分の行動が密かに監視されていたと知れば、動揺するのも無理はないだろう。

 シズが赤面し始め、そして顔を伏せてしまった。

「で、でも、シズさん、変なこと言ってませんでしたよ。そもそも、操られていたんですし!」

 シズは顔を上げない。

「あわわ……」

「まあ、今はそっとしておこうよ……」

 ミミがそっとマリに言った。

 アイが何も言わずにシズの肩に手を載せた。

 マリも俯いて、先を続けた。

「それで、シズさんが気絶した後に運び込まれたの場所が、メイさんに関係している家だろうと思って、そこを訪れたらミミさんの家でした」

「なるほどね……」

「うう……」

 シズ、泣いてないよね?



「じゃあ、次はもっと根本的なことだけど、なんでそもそもシズを操って東に来させたの?」

 マリが口を噤んだ。

「目的があったんでしょ?」

「……私、よくわからないんです」

 ポツリポツリと話し始めた。

「あの方がお決めになったことだから……。でも、多分ですけど、メイさんみたいな、強い魔法少女を探すためだったんじゃないかって、思います」

「ああ、それで話が繋がってくるわけだ」

 ミミが言い、メイが頷いている。

「すべては、西の戦力増強のため、か」

 メイが簡潔にまとめた。

「た、たぶん……」

「それにしても、やり方が乱暴すぎる気もするけど」

「ご、ごめんなさい……」

 メイの指摘に、マリは謝ることしかできなかったようだ。



「あの時、ほら、あの路地裏のことだけど、あれも、あの方、???の指示で待ち伏せていたの?」

 ミミがさらに質問を続ける。

「はい、西だと、ほぼ全域で魔力の感知ができる仕組みがあって、メイさんのように強い魔力を持っている方がいらっしゃると、わかるんです」

「じゃあ、あの黒装束は、初めからメイ狙いだったんだね」

「そういう、ことになります」

 メイとミミがそれぞれ納得していると、目的のバス停に着いた。
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