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[長編] 魔法少女は誰かを愛しちゃダメなんですか

第8話 黒装束

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 脇道へ近づくと、何やら人の声のようなものが複数聞こえてきた。どうやら2人が会話しているようだった。が、脇道に入っていかなければ、会話の内容は聞き取れない。アイがそっと覗いてみる。

「!」

 すぐさま振り向く。

「いました!黒っぽい服の人」

「もう1人は?」

 メイが訊く。

「もう1人は……、ここからじゃ見えません。もっと奥へ行かないと」

 アイが奥を覗きながら答えた。

「どうしますか?」

「まず、会話の内容を聞いてみる」

 そう言ったメイは、目を閉じ、4人に魔法をかけた。

「おお、聞こえます!」

 神経支配の一種、聴覚を研ぎ澄ます魔法だ。

 アイのつぶやきが、3人の耳にキンと響いた。

「アイ、静かに」

 メイが小声で注意する。

「すみません」

 そっと謝るアイ。



「……何度言われても、私にはその気がありません」

「なぜですか、私には理解できません」

「あなたが理解しようがしまいが関係のないことです。確かに、私はあの人の考えや行動には賛同しています。しかし、だからと言って、誰ともつるむ気はないのです」

「……やはり、わかりません」

 小さいため息が聞こえた。

「何度来られても無駄です。お話はこれでおしまいにしましょう」

 1人の人間が去っていく足音が聞こえる。どうやら、奥に向かって歩いていったようだ。

「サキ先輩?」

 アイが小さな声でつぶやいた。



 ささやき声で相談が始まる。

「どうしますか。黒の人だけになったみたいです」

 アイが問う。

「さっき会話に出てた『あの人』が、イコール???なんじゃないかな」

 ミミが考えを述べる。

「その可能性はあると思う。訊いてみる、直接?」

 メイの提案にミミが頷き、やや遅れてシズとアイも頷いた。

「一旦魔法を解くよ」

 聴覚が元に戻る。



 アイを先頭に、脇道に入っていく。アイの後ろには、ミミ、シズ、メイが続く。脇道はそんなに狭くはなかった。幅は、人が3人並んでも歩けるくらいあるだろう。

 前方、ミミにも見えた。黒装束を着ている人が、1人立っている。こちらに背を向けているため、顔は見えない。ただし、フードのようなもので頭がすっかり覆われているようなので、前からでも顔は見えないかもしれないが。遠くからの目測では、身長はそれほど高くないようだ。

 アイがミミに話しかける。

「何て声かければいいんでしょう」

「すみません、いきなりですけど???の部下の方ですか、とか?」

「直球ですね。でも、そうしてみます」

 アイが黒装束の背後に立った。

「すみません、いきなりですけど」

 アイの言葉が途切れた。奥からもう1人は黒装束が現れたからだ。

 さらに、ミミが振り向くと、メイの後方、路地の通りからの入り口からも黒装束が3人現れているのが見えた。



 挟まれた!

 ミミが焦る間もなく、元からそこにいた黒装束が振り向き、声を発した。

「メイさん、ですね」

 やはりフードで顔は見えなかったが、メイのほうを見ていることはわかる。

「そうです」

 メイは平然と答えた。この一見危うさを覚える状況でも、まだ余裕があるということだろうか。

 この短いやり取りの間にも、前後から黒装束たちは迫ってきて、やがて立ち止まった。

 前方、アイから2メートルも離れていない地点に黒装束2人。後方、メイから、やはり2メートルも離れていない地点に黒装束が3人、それぞれ並んでいる。

「お迎えに来ました」

「なんの」

「あのお方がお呼びです」

「あのお方って、???のこと?」

「世間では、そのように呼ばれておりますが、本来あのお方には名前はありません」

「ふーん」

 ミミはメイのやり取りに肝を冷やしていた。

「で、その方が私に何の用ですか」

「あなたをお仲間に加えたいとおっしゃっています」

「なんの」

「西の街を、ひいては世界を、魔物から守るための、です」

「……私じゃなきゃダメなんですか」

「メイさんの魔力には素晴らしいものがあります。ぜひお力を貸していただきたいとのことです」

 冷や汗をかきながら、ミミは会話に集中する。

「でも、この街はこの街の魔法少女によって守られていますよね」

「現在は、そうです。しかし、これからはそうもいかなくなります」

「それは、どういう?」

「魔物が通ってこちらにやってくるルートが、拡大の一途を辿っています。やがては、西の魔法少女のみでは守りきれなくなるでしょう」

「それなら、東だってそうです。私は東を守ります」

「西に来られるおつもりはないと、おっしゃいますか」

「はい」

「ならば、仕方ありませんね」



「力ずくでも連れて来いとのご命令でした。実行させていただきます」



 途端に、前後の黒装束が魔力の渦を発生させ、体に巻きつけ始めた。

 これは相当まずい。

 ミミはそう思いつつ、でもメイがいるからなんとかなるかと思って、メイのほうを振り向いた。

 そこには、驚いた顔のメイがいた。

 どんなことにも無表情で通していたあのメイが!

 その事実に、ミミは絶望しかけた。



 しかし、絶望している暇はなかった。

 次の瞬間、いつの間にかその手に持っていた杖を振り、メイは大閃光を発生させていた。目眩しだ。

 ミミはとっさに手で目を覆ったが、それよりも早く、目には光を通さない物質でできたアイシールドがいつの間にかついていた。メイによる偽物質生成だろう。これで目をやられずに済む。

 立て続けに、ボフッという音が聞こえると同時に、アイシールドが外れた。今度の魔法もメイか?あたり一面を濃い煙が覆っている。敵も味方も見えない。

 ミミが戸惑っていると、いきなり、グンと体が引かれた。路地の入り口のほう、斜め上へと体が飛ばされる。テレキネシスだった。

 少しの間宙を飛び、やがて、煙で周囲は見えないが、体感的にはカブラギ通りの真ん中あたりに墜落した。墜落の瞬間、一瞬落下スピードが落ちたが、完全には速度を落としきれず、お尻と腰をしたたか打った。

 痛みを感じていると、休む間もなく、次のテレキネシスによって通りを飛ばされた。今度は低空飛行でほぼ一直線に通りに沿って真っ直ぐ飛ばされる。方向的には、元来た道を戻っているようだ。

 かなりの距離を飛ばされたところで、ようやく濃い煙から脱出できたらしい。視界が晴れた。と思ったら地面に激突した。さっきより痛い。

 状況がつまめないままあたりを見回すと、シズとアイがそばに同じように地面に激突したのだろう、座り込んだ状態でいるのが見えた。

 少し安心したのも束の間、煙の中からメイが猛スピードで駆け出してきた。

「神経強化をかけるから、全速力で逃げて」

 早口でしゃべると、ミミ、アイ、シズに魔法を掛けていった。一人一人を起き上がらせた後、メイの叱咤が飛んだ。

「速く!」

 3人は、メイについて全速力で通りを走り出していった。
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