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 ←Ep. 01 ミミノート:タケルは見た編 →第7話 異文化交流
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倉庫(掌編・短編小説)

[4分で読める]  オハえもん ちょび太の未来探訪記 [短編小説]

 ←Ep. 01 ミミノート:タケルは見た編 →第7話 異文化交流
 家に帰り着くとすぐに、靴も脱ぎっぱなしにして階段を駆け上る。
「オハえもーん!」
 自室の襖を開くと同時に、声を上げる。
 ゴロンと床に寝っ転がって漫画雑誌を読んでいたオハえもんが顔を上げた。
「お帰り、ちょび太くん」
 そう言うと、すぐに漫画に目を戻した。
「なんだよー、人が泣いて帰ってきたというのに。そうやって知らんぷりするの?」
「だって、いつものことじゃない」
 言いながらも目は雑誌を追っている。
「どうせまた、いじめられたーって言うんでしょ」
 傍にあったお煎餅をバリバリと食べる。
 ちょび太は、床に膝と手をついて、なおも話しかける。
「そうなんだよ、聞いてくれよー。またヂャイアンとスネゲにさー」
「仲間外れにされたって?」
「……え? うん。よくわかったね」
「一体君とどれだけの付き合いだと思っているんだい?」
 よっこらせ、と態勢を変えた。オハえもんがちょび太の正面にあぐらをかく。
「ぷぷ、そんな短い足であぐらなんかかけるわけないのに」
「なんか言った?」
「なんでもなーい」
 口笛を吹いてごまかした。

「で? どうしたいの、ちょび太くんは」
「ヂャイアンたちに仕返ししたい」
 腕を組んだオハえもんは、目をつぶっている。
「じゃ、一人でやってくるんだね」
 そのまま体を横に倒し、寝転がった。漫画、漫画と手で床上を探っている。
「そんなこと言わないでさ、いつもみたいに道具出してよー」
 はあ、とため息をついたオハえもん。またも、よっこらせ、と体を起こす。
「ぷっ、ダルマみたい」
「なんか言った?」
「なんでも」
「……ちょび太くん、ちょっとそこに座りなさい」
 四つん這いの姿勢でいたちょび太は、オハえもんと向かい合うように正座をした。
「いいかい? なんでもかんでもどーぐ、どーぐって。そんなこと言ってるとダメ人間になるんだからね」
 ちょび太はいじけて口をすぼめる。
「もうすでにダメ人間ですよーっと」
「もう、これだから。今よりもずっとずーっとダメな人間になっちゃうんだよ」
 丸い右手を上げて上下に動かしながら、オハえもんは説く。
「いいもーん。どうせ僕なんか道具なしではやっていけませんよーだ」
「……そんなこと言ってると、シヅカちゃんに嫌われて結婚できなくなるかもね」
「それはやだ!」
「じゃあ、今後は、自分のことは自分でなんとかしなさい」
「えー、僕にそんなことできるわけないじゃないかー」
 不貞腐れたちょび太くんは、先ほど前のオハえもんのようにゴロンと横になった。頭を右手で支えた格好で、左手を出す。
「道具、ちょーだい」

 オハえもんは反応を示さない。腕を組んだ姿勢のまま、目をつぶりじっと何か考え事をしているようだ。
「……」
「オハえもーん」
「……」
「オハえもーーん」
「……」
「オ・ハ・え・も・ん?」
 やがてオハえもんは何も言わずに立ち上がった。
「そろそろ、君にも教えておいたほうがいいみたいだね」
 いつもとは違うその声色に、ちょび太は違和感を感じざるをえなかった。
「ど、どうしたのさ、急に、そんな顔して」
「僕がやってきた未来に連れて行ってあげるよ」
「未来に!?」
「ちょび太くんは、まだ行ったことなかったね」
 スタスタと机のほうに向かう。引き出しを開けながら、最後にこう言った。
「道具に頼り切った人間がどうなったのか、見せてあげるよ」

 オハえもんと一緒に、ちょび太はタイムマシンに乗った。
「ねえ、どういうこと? 未来の人たちは便利な生活送ってるんでしょ?」
「さあ、それはどうかな。行ってからのお楽しみさ」
 さっきからオハえもんの声に混じる本気度に、ちょび太は少しずつ恐れを覚えていった。
 いつもなら、ゴネ続けていればオハえもんは道具を出してくれる。ああいうこと言って、本当は優しいんだから。だけど、今日のオハえもんはいつもと違う。
 何か、すごく嫌な予感がする。

 その後は、会話もないまま、時間の流れに沿って未来へと向かっていった。

「さあ、着いたよ。ここが、君たちの未来さ」
 ちょび太はその光景を見て、驚いた。
「やあ、すごいじゃないか!」
 そこかしこを行くロボットたち、見上げれば現代では考えられないような形をしたビルの数々。ビルとビルの間をつなぐようにチューブのようなものが走っている。
「ここが未来! ワクワクする!」
「ちょっと歩いてみようか」
「えー、タケコプ」
「これ、被って」
 言いながら、自分も帽子のようなものを被る。
「これ、石ころ帽」
「ほら、早く」
 オハえもんが手を差し伸べた。じきに姿が見えなくなる。
「待ってよー、オハえもん!」
 ちょび太ももらった帽子を頭に被り、オハえもんの手をとってついていった。

「ビルばっかりだと思っていたけど、ちゃんと自然もあるんだ」
「そうだよ。地球と共生できなきゃ、文明が終わってしまうからね」
 一通り街を歩いた後、小さな森に隣接する自然公園に足を踏み入れた二人。どちらからともなくベンチに腰をかけて、休憩をする。
「なんだ、未来って素晴らしいじゃないか!」
「本当に、そう思うかい?」
「うん!」
「じゃあ、君に聞くけど……」

「未来に来てから今まで、人を見かけたかい?」

「え?」
「どう? ちょび太くん」
「そういえば、見てない……」
「……」
「ロボットは見たけど、人は見てない。ねえ、オハえもん、この時代の人たちは一体どこにいるの?」
「……」
「ねえってば!」
「地下でずっと働いているんだよ。この世界では、人間はみんなロボットの奴隷なんだ」


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あとがき

このお話を第1話として、全3話で物語を完成させる予定でした。
しかし、ここまで書いておいてなんですが、考えていたこの先の展開が、作者自身面白いとは思えなくなってしまったので、これ以上書き進めることができなくなりました。
そのため、この第1話のみを短編として投稿いたしました。

やはり、原作と、あの二次創作の「最終回」は偉大ですね。
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