スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←第1話 謎の少女 →第3話 ラブソングは響かない
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  • 【第1話 謎の少女】へ
  • 【第3話 ラブソングは響かない】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

[長編] 魔法少女は誰かを愛しちゃダメなんですか

第2話 少女の話

 ←第1話 謎の少女 →第3話 ラブソングは響かない
「私は、シズと言います。えっと、中学三年生です。昨日は、すみませんでした」

 例の少女が頭を下げる。ミミの部屋には少女とメイの二人が来ていた。

 …………
 ……

 昨夜、メイとの戦いで気を失った後、少女はメイにより魔法を封じられていた。ただ、抵抗する意思はなさそうだったので、魔法封じは必要ではなかったかもしれない。

少女が目を覚ました後は、ミミが一旦自分の家に友達と偽って連れ帰った。おおらかなミミの家族、特に母親は、まあまあそれはそれは、ゆっくりしていってくださいね、と詳しい事情も聞かなった。父とタケルは、少し疑問に思ったようだったが、結局母親に流された。

一緒に夕飯を食べ、風呂に入らせ、ミミの寝間着に着替えさせた。ミミのベッドで寝かせ、ミミは自室に別に布団を引いてそこで寝た。目が覚めてから就寝までの間、少女はぼうっとした表情を浮かべており、ミミの問い掛けにはっきりした反応を示さなかった。

ただし、夕食時の食欲は旺盛で、ご飯を3杯もおかわりしていた。少女の体型を眺めて、ちょっとうらやましいな、とミミは思った。



 翌朝、つまり今朝、ミミは少女に起こされた。

「あのう、す、すみませーん」

 ゆっさゆっさ。ミミはなかなか起きない。

「ああー、やっぱりね。そんなんじゃダメですよ。こうしないと」

 ミミの部屋まで様子を見にきていた弟のタケルは、目覚まし時計をミミの耳元に近づけ、スイッチを入れた。

 ジリリリリリリ!

 けたたましい音が鳴り響くと同時に、ミミが飛び上がった。

「えっえっ。なになに。ていうか、誰?」

「朝は弱いんです、姉は。でもちょっと時間が経てば元通りになると思いますから」

 タケルは部屋を出て行った。

 タケルの言った通り、落ち着いた後、ミミはすぐに昨日のことを思い出したようだった。

「あー、おはよ」

「お、おはようございます」

「元気になった?」

「おかげさまで。昨日は何だか頭がはっきりしなくて、ご迷惑をおかけしてしまいました」

 いいよいいよ、ミミは応える。

「今日は……、うん、土曜日だね。学校はお休みのはず。ちょっと色々と話を聞かせてもらってもいいかな」

「はい。構いません。何からお話ししましょうか」

「あ、待ってね。昨日、戦った娘いるでしょ。メイっていうんだけど。その娘を呼ぶから、来るまで待ってて」

「あ、はい。わかりました」

「お腹すいた?朝ごはん食べに行こっか」

 …………
 ……

「私は、西に住んでいます。西で、魔法少女をやってます。この町へは電車とバスで来ました」

 一呼吸置いて、

「昨日私がわざわざ東のこちらへやってきて、しかもあろうことか町中の公園で魔法を放とうした理由ですが……、実は私にもよくわかってないんです」

 少女は下を向いて、そう呟いた。ミミは尋ねる。

「え、どゆこと?わからないって。誰かに操られていたとか?」

「多分。操られていた、というのはそうだと思います。ただ、その、私を操ってこの町に来させた理由がよくわからないんです。私はこちらに来るのは初めてですし」

「メイ、他人を操る魔法ってあるの?」

 ミミがメイのほうを向く。

「ある」

 メイは答えた。

「それって誰でも使える?」

「ううん。かなりの魔力が必要だから。特に魔法少女相手に使う時には、ね」

「ふむふむ。シズ……ちゃんは、誰が操っていたのか、心当たりとかある?」

「いえ、特には思い当たりませんが……。ただ、今メイさんのおっしゃった通りなら、強力な魔法使いということになりますよね」

「そうなる」

 メイがうなずく。

「だとすると、私が知っている西で有名な強力な魔法使いは、一人います」

「え、誰それ誰それ」

「本当の名前はわからないんです。私だけが知らないのか、みんな知らないのか、ちょっとわかりませんが。ですが、よく???と呼ばれています」



「はてなはてなはてな?」

「はい。そう、呼ばれています」

「うーん。東じゃ聞いたことないな。メイは知ってる?」

「ううん。初めて聞いた」

「あんまり西のほうの事情は入ってこないんだよね、こっちには」

「そうなんですか。ただ、本当にその???が操り主なのかどうかは、まだわかりませんが……」
 ミミはうーんと唸った。メイはシズの胸のあたりを見るともなしにじっと見ていた。

「じゃあ、こうしよっか。明日、日曜日に西へお出かけするってのはどう、メイ?で、そこで情報収集する、と」

「……ちょっと面倒かな」

 メイは少し首を傾げた。

「……そだよね」

「うん、でも行ってみなきゃわからないと思うから、行くことにする」

「やったっ」

 ミミがはしゃぐ素振りを見せる。シズは気にせず、

「じゃあ、私も明日帰ることにしましょうか。その方が色々案内とかできますし」

「そうだね。そうしよっか。ウチのお母さんも特に何も言わないと思うから、また泊まってってよ」

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」



 メイとミミは、シズをミミの部屋に置いたまま、家の外に出た。

「なんかいい子みたいだったね」

「うん」

「もう操られる心配はないのかな」

「わからないけど、一旦正気に戻ったら、また魔法を掛けるにはある程度近づかないといけないと思う。だから、操り主がこっちに来ていなければ、大丈夫」

「じゃあ、そばで怪しい奴が来ないか見張らないとね」

「うん。何かあったら連絡して」

「了解。じゃ、明日ね」

「あ、一応、クッキー預けとく」

「あ、ありがとう」

 メイは目を閉じ、クッキーを呼び出した。

「よろしくー」

「よろしくね、クッキー」

「じゃあ」

 メイが手を挙げる。

「うん、また」

 メイは自転車にまたがり去って行った。

 ミミはそっとため息をついた後、家に戻った。

 …………
 ……

「ねーちゃん。何で今日メイさん来るの教えてくれなかったんだよ!」

「あ、忘れてた。ごめんごめん。でもタケル、部活だったじゃん」

「それはそうだけど……」

「今度来るときは教えてあげるから」

「絶対にね。忘れないでよ!」
関連記事
スポンサーサイト


  • 【第1話 謎の少女】へ
  • 【第3話 ラブソングは響かない】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【第1話 謎の少女】へ
  • 【第3話 ラブソングは響かない】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。