掌編・短編小説

[2分で読める] アスペルガーの日常 [掌編小説]

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「役立たず」
 聞こえる。確かに聞こえる。
 誰も言葉にしていない。だけど僕には聞こえる。

 学園祭の時期が迫っているある日のこと。
 みんながやるべきことを見つけて、それに取り組んでいる中、何もしないでただオロオロとしているだけの僕。
 言われても仕方がない。

「……やっといて」
 え?
 聞いてなかった。
「ごめん。何て?」
「はあ、もういい」
 話を聞いていたとしても、僕にできるかわからない。
 他人に聞くのも怖い。理解できず、失望させるのが怖い。
 わかった、そう答えて、結局わかっていないのが、怖い。

 役に立ちたい気持ちはあるのに、その方法がわからない。

 1人教室を抜け出す。
 僕がいても役には立たないから。
 廊下を歩く。
 みんな一生懸命作業をしている。
 自分のやれることをやっている。
 みじめな気持ちだ。

 なんでみんなは指示されなくても動けるの?

 オロオロしている生徒がいた。
 仲間だ。そう思った。
 だが、すぐにリーダーらしき別の生徒に話を聞いていた。
 僕とは違う。

 屋上に行った。
 誰もいない。
 階下から聞こえる騒めきが、少し小さくなる。
 少し、ホッとした。

「なんで泣いてるの?」
「え?」

 ホントだ。
 頬が濡れていた。

「追いかけてきたの?」
「うん。私も、わかるから」
 でも、きっと違う。
 僕なら知らない人に話しかけたりはできないから。
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